KIRA-KIRA BOYS FOREVER!

ここはどこだ？　あの日か？　今か？
缶(かん)コーヒーが温(ぬる)い。息が白い。
お前は、そこにいたか？　いないか？

「間に合うよな？」って　ヘルメットかぶって笑った
口は悪いけど　やたら熱いやつだった

言いかけた「やめとけよ」も
背中に飲み込まれてった

あの日の空、まだ凍(こご)ったままだ

ガードレールに、指を滑(すべ)らせた
3人だったな　でも今は……言わねぇよ

前だけ見て突っ走るとこ　変わらなかったな
笑い声とライターの癖(くせ)　いまだに耳に残ってる

叫べ！　俺たちの声を
拳を上げろよ、あいつのぶんまで

届かなくても　心はここにある
それが俺たちの――YANKEE(ヤンキー) HEART

鳴らなかったポケベルの返信

背中で語るやつだったから…
返事なんか　いらねぇって思いたかった

でもさ……わかるだろ？ 本当は待ってたんだよ

街は変わった　俺も多少は変わった
でも　歩き方だけは　あのままだった

あいつが座ってたベンチ
今じゃ誰も見向きもしねぇ

けど俺には　まだ見えてる
その姿勢(しせい)　あの笑い方

もし今　お前が生きてたら
こんな時代をどう走ってた？

SNSなんて向いてねぇだろ？
でもあいつなら　それでも前に出るんだよな

叫ぶぞ！　あいつが届かなくても
俺が今、代わりにぶち上げる

拳はメッセージだ　そう教えてくれた
だから俺が、今ここで叫ぶんだ

（なあ… ちゃんと見てろよ）
（これが、俺たちのやり方だ）

走るぞ　涙のぶんも込めて
拳で今を　ぶん殴るように叫ぶ

「お前はもういねぇ」って　知ってる
それでも――この鼓動(こどう)が止まらねぇから

今日も　あのベンチのとなりに　そっと置く

誰もいない。でも…
そこにだけ、風が吹かねぇ気がした